【2026年11月改定】自賠責保険が13年ぶり値上げ!車検の法定費用はいくら変わる?

車やバイクを所有しているすべての方に関わる、重要なニュースが入ってきました。
金融庁の審議会にて、自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の保険料を、2026年11月1日以降の契約から全車種平均で6.2%引き上げることが正式に決定しました。自賠責保険料の値上げは、2013年4月以来、実に13年ぶりのこととなります。
「金額はいくら上がるのか」「値上げの理由はなにか」といった疑問をお持ちの方に向けて改定内容をご説明いたします!
【車種別】あなたの車はいくら上がる?(24ヶ月契約の比較表)
車検時に支払うことが多い「24ヶ月(2年契約)」の、改定前後の料金をまとめました(※離島・沖縄を除く地域)。
| 車種(24ヶ月契約) | 改訂前(現行) | 改定後(2026年11月〜) | 差額 |
| 自家用乗用自動車(普通・小型) | 17,650 | 18,560 | +910 |
| 軽自動車(検査対象車) | 17,540 | 18,660 | +1120 |
| 自家用小型貨物(ライトバン等) | 20,340 | 21,430 | +1090 |
今回の改定で最も特徴的なのが、軽自動車の値上げ幅(1,120円増)が普通車(910円増)を上回っている点です。 これまでは「軽自動車の方が自賠責が安い」のが常識でしたが、11月以降は軽自動車の方がわずかに高くなります。軽自動車ユーザーの方は特に注意が必要です。
事故は減っているのに、なぜ13年ぶりの「値上げ」?
前提として自賠責保険の金額は「ノーロス・ノープロフィットの原則」に基づいて決定されています 。
ノーロス・ノープロフィットの原則
加入が義務である自賠責保険において、利益(儲け)も損失(赤字)も出さない水準で保険料を決めるルールのことです。社会情勢に合わせて収支の天秤が常にゼロになるよう調整されます。
この原則が採用されている理由として
- 国民に加入を義務付けている「強制保険」のため(ノープロフィット)
自賠責保険は、公道を走るすべての自動車やバイクに対して、法律によって一律に加入が義務付けられています。
もし、このような「必ず入らなければならない保険」で国や民間保険会社が利益(儲け)を出すことを許してしまうと、それは国民に対して不当な金銭的負担を強いることになってしまいます。実質的に、保険料という名目の「不必要な税金」を徴収しているのと同じ状態になってしまうためです。
そのため、国民の経済的負担を必要最低限に抑え、制度の公平性を保つために、利益を上乗せしてはならない(ノープロフィット)と定められています。
自動車損害賠償補償法
保険料率及び共済掛金率の基準
第二十五条:責任保険の保険料率及び責任共済の共済掛金率は、能率的な経営の下における適正な原価を償う範囲内でできる限り低いものでなければならない。
- 交通事故被害者を「持続・確実」に救済するため(ノーロスの禁止)
自賠責保険の最も重要な目的は、交通事故に遭われた被害者に対して、最低限の賠償(医療費や慰謝料など)を迅速かつ確実に保障することです。
もし「国民の負担を減らすため」という理由だけで保険料を安くしすぎたり、計算の甘さから赤字(損失)が続いたりすると、被害者に支払うための大切な資金(保険金原資)が底をついてしまいます。 運営が破綻して保険金が支払えなくなるような事態は、被害者救済という制度の根本を揺るがす絶対に避けなければならない事態です。
そのため、どのような社会情勢になっても制度を安定して持続させ、被害者を確実に救済し続けるために、赤字を出してはならない(ノーロス)という防衛ラインが引かれています。
なぜ上がるのか
前提条件を踏まえたうえで今回引き上げになる理由として損害保険料率算出機構の検証では下記があげられています。
- 事故件数の下げ止まりと、医療費の増加 安全技術の普及で事故自体は減少しているものの、そのペースは徐々に緩やか(下げ止まり)になっています。一方で、事故1件あたりに支払われる医療費などの「支払単価」が増加しているため、全体の負担が大きくなっています。
- コロナ禍の「還元期間(5年間)」の終了に伴う、蓄え(滞留資金)の減少 コロナ禍の外出自粛によって一時的に事故が減り、保険の蓄え(滞留資金)が増えた時期がありました。そのため、現在はその余剰金を「5年かけて加入者に全額還元する(あえて赤字にする)」目的で、意図的に保険料を大幅に安く設定していました。この還元が進み、残高が減少したため、本来の収支バランスに戻す必要が生じました。
- 物価・人件費高騰によるコスト(付加保険料)の増加 昨今の物価高やインフレの影響を受け、保険の手続きや損害の調査を行うための「事務コスト(社費や人件費など)」が増加したことも影響しています。
値上げはいつから?
10月・11月」が境目
今回の値上げは、「2026年11月1日以降に、新しく保険期間が始まる自賠責契約」から適用されます。
ここで重要になるのが、ご自身の車の「車検満了日」です。実は、2025年4月の法改正によって、車検の有効期間を縮めることなく前倒しで車検を受けられる期間が、従来の「1ヶ月前」から「2ヶ月前」へと拡大されています。
この新制度を上手に活用することで、11月以降に車検を迎える方でも値上げ前の料金で滑り込める可能性があります。
10月中(〜10月31日)に車検満了日を迎える方
通常通り10月中に車検を受けていただければ、自賠責保険の始期日も10月中(または11月1日の車検満了時刻まで)となるため、完全に旧料金(安い方)が適用されます。
車検が「2ヶ月前から受けられる」ようになったため、11月、あるいは12月に車検満了日を迎える車であっても、10月中に前倒しで車検(継続検査)を通すことが可能です。
10月中に車検の手続きを行い、同時に自賠責保険の更新手続き(切り替え)を10月31日までに完了させれば、新しく始まる自賠責保険の契約を「旧料金」で確定させることができます。(※前倒しで受検しても、次の車検満了日が前倒しで縮まることはありません)。
まとめ:自動車の維持費見直しと、手続きはお早めに
2026年は、自賠責保険だけでなく大手損害保険各社による「任意の自動車保険」の値上げも相次いでいます。ドライバーにとっては、維持費の負担が増える少し苦しい時期と言えます。
だからこそ、無駄なトラブルや罰則リスクを避けるために、お乗りの車の「住所変更」や「名義変更」などの手続きを正しく行っておくことがこれまで以上に大切です(※引越し後の住所変更を行っていない場合、過料の対象になるだけでなく、いざという時の保険金支払いに支障が出るリスクもあります)。
当事務所では、車庫証明の取得から、陸運局での面倒な変更登録手続きまでワンストップで代行しております。最新の法改正や法定費用の改定にも迅速に対応いたしますので、個人のお客様も、自動車販売店様もお気軽にご相談ください。
